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気づきのかたち
未来と記憶を繋ぐデザイン

 

椅子のデザインに取り組むとき、デザイナーはいつも途方もない領域に投げ出される感覚があります。「座る」という自明の理の先に、何を目指すのか? ということです。それは、素材や製作技術の可能性なのか、使いやすさなのか、あるいは新しい構造を見出すことなのか、彫刻的な美しいフォルムをつくることなのか…おそらく、そのどれもが椅子を新しくデザインするきっかけにはなります。ただ、そうしたこと以外に、何かもっと、椅子という道具が放つ掴みがたい “魅力” があるようにも思うのです。それは、椅子の長い歴史の中から、使い手に受け継がれてきた「記憶の痕跡」のようなものなのかもしれません。

17世紀後半にイギリスで生まれたとされる、ウィンザーチェアという椅子があります。この椅子は、それ自体が誕生した時代の記憶をずっと残したまま、現在もつくられている椅子のひとつです。「Windsor Department」は、そうした「記憶の痕跡」を持つ椅子に、かねてから興味を抱いていたデザイナー3組により結成されたデザイン研究会です。

3組のデザイナーは、ある時、この古い椅子の形式になぜこんなにも惹かれるのか?ということに、ふと疑問を持ちました。この問いはとても大事なことでした。なぜ惹かれるかを考えることは、新しく椅子をデザインする強い理由になるからです。デザイナーにとっての研究とは、直感をきっかけにリサーチした内容を、言葉ではなく形(かたち)にすることです。ゆえに、研究会がスタートしてから約10年、それぞれの方法で「ウィンザー的なるもの」に向き合い、新たなウィンザーチェアをデザインしてきました。

「ウィンザー的なるもの」に明確な答えはありません。しかし、感覚的な部分を形として発見していくことは、デザイナー達に多くの気づきをもたらしました。それはウィンザーチェアという強い形式があったからこそだと思っています。また、デザインを考えるとき、古い/新しいに過度に囚われることなく、もっと持続性のある広い地平へ連れて行ってくれたのも、この試みの大きな収穫でした。

3組のデザイナーの、 “気づきのかたち” を体感していただけたら嬉しいです。

 

Windsor Department
藤森泰司

日時:
2021年5月14日(金)- 7月4日(日)
11:00 ― 18:00
*営業時間は店舗と異なります。休館は、店舗に準じます。
開催場所:
無印良品 銀座 6F ATELIER MUJI GINZA Gallery1・Gallery2
入場無料
関連イベント:
本展会期中は、各種関連イベントの開催を予定しています。
詳細は決まり次第、本ウェブサイトやSNSで随時お知らせ致します。
*諸般の事情により開催中止または内容が変更になる場合がございます。

 

主催:
無印良品
企画協力:
《Windsor Department》 藤森泰司、DRILL DESIGN、INODA+SVEJE
空間構成:
藤森泰司、DRILL DESIGN
グラフィックデザイン:
田部井美奈
展示品協力:
一般財団法人 家具の博物館、タイム アンド スタイル、有限会社かねみつ漆器店、カリモク家具株式会社、株式会社桜製作所、株式会社ダニエル、スカンジナビアンリビング
企画・運営:
株式会社良品計画 生活雑貨部 企画デザイン担当・無印良品 銀座 ATELIER MUJI GINZA